イギリス 私立中学高校進学プログラム TSI / Bromsgrove School
渡航者プロフィール | |
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留学先 | Taunton School International / Bromsgrove School |
氏名 | 渡邉 桃子 (女性) |
年齢 | 14歳 |
滞在期間 | 2011年9月~2015年6月(4年間) |
参加プログラム名 | イギリス私立中学高校進学プログラム この参加プログラムの情報を見る |
滞在方法 | 寮 |
留学したきっかけ・理由を教えてください。
7歳の時にイギリスに家族旅行で行った事や、小学校の時から塾で英語を勉強していた事から、将来留学したいという思いがありました。小学校6年生で英検準2級を取得し、中学では英語が一番の得意教科になりました。中学では部活動に熱中していたので「留学はまだ現実的じゃないな…」と思っていたのですが、2011年の東日本大震災が私の人生のターニングポイントになりました。 私は福島に住んでいたので、震災後の生活の不便さを心配した父が「どこかへ転校した方がいいのではないか」と言った事に対して、私はそれなら「これをきっかけに留学したい」と思いました。
学校生活の中で一番印象に残っていることは何ですか?その理由も教えてください。
留学した当初は他の生徒より英語が出来ず、友達や先生の言っていることがほとんど聞き取れませんでした。教科書の単語を一語一語辞書で調べて勉強したりしましたが、それでもテストでいい点が取れなかった時は自分の情けなさに落ち込むこともありました。でもスペイン人、ロシア人のルームメイトに分からないところを教えてもらったり、励ましてもらえたりしてくれたおかげでほとんどホームシックになることもなく勉強を克服することができました。そうやってルームメイトと仲良くするうちに英語も自然と上達して、勉強も楽しくなりました。
滞在先(寮)で印象に残っているエピソードを教えてください。
TSI(Taunton School International)では一年目は3人部屋で毎日賑やかだったのですが、2年目は一人部屋になりましたが、いつも友達を呼んでおしゃべりしていました。TSIにいる時は、ハーフターム毎にロンドンで毎回違うホームステイ先にお世話になり、それぞれの家族やご近所さんと仲良くなって一緒にお出かけが出来てとても楽しかったです。 Bromsgrove Schoolにいる時は友達と一緒に2年間、Bromsgroveの町にあるホストファミリーにお世話になりました。そのホストは本当に優しくて、私と友達を実の娘の様に可愛がってくれました。特にホストマザーは料理が上手で美味しい食事を出してくれるので、毎回ハーフタームが楽しみでした。Bromsgrove Schoolでの最後のハーフタームでは、感謝の気持ちを込めてお返しに日本食を作ってあげたら、すごく美味しいと喜んでくれました。
参加した課外活動について詳しく教えてください。
TSIにいた時は、毎週木曜日の午前中は体育の授業が必須で、秋冬はフィールドホッケー、ラグビー、トランポリンやネットボール、夏はテニスと幅広いスポーツを経験することができました。 また、Bromsgrove Schoolでは放課後のactivityでスカッシュ、テニス、エアロビクスを行ったりしました。 スポーツ以外にもたくさんのボランティア活動に参加しました。毎週火曜日の放課後は、他の生徒に日本語を教えたり、老人ホームでボランティアしたり、毎週土曜日午前中は、動物保護施設で犬と猫のお世話をするボランティアをしました。このボランティア活動を通して地域の人や下級生との交流ができて、たくさんの知識や経験、コミュニケーションスキルを得ることが出来ました。
留学中、最も頑張ったと思えるエピソードをお聞かせください。
大学では獣医学部志望でしたが、大学受験は本当に大変でした。イギリスの獣医学部に入るためには、A-levelで良い成績を修める以外に動物関係の研修が必須とされています。以下は実際に経験した研修です。Lower 6th(12年生)春休みに2週間、イギリスのDevonにある牧場に住み込みで子羊の世話や羊の搾乳を手伝いました。 ・Bromsgroveにある動物病院では1週間、診察や手術を見学したり入院動物の世話をしました。夏休み中の日本でも2か月間、水族館、牧場、動物病院で研修しました。特に地元の福島の牧場では毎朝4時起きで、牛の搾乳と子牛の哺乳を手伝った時は、動物を扱う仕事の責任と大変さを実感しました。様々な動物とそれに関わる人達からたくさんの事を教わり、学んだ事を大学受験の面接で活かすことが出来たと思っています。 合計12週間にも及んだ研修は大変でしたが、志望していたRoyal Vetarinary College Londonの合格に繋がって本当に良かったと思います。
留学中、どのようなことで最も困りましたか?又、その点をどうやって克服したか教えてください。
留学中にそんなに困ったことは特にありませんでした。でも留学当初はスーツケース1つで行き来していましたが、日本の食べ物が恋しくなってしまい、毎回日本からイギリスに戻る時に大量に食料を持参していくので、スーツケースをもう1つ買い足し、スーツケース2個で毎回往復しました。留学先の友達の間でも日本の食べ物(特にお菓子やカップ麺類)は大人気で、みんなに喜んで食べてもらいました。
日本の学校や生活と大きく異なると感じた点を詳しく教えてください。
授業はディスカッション中心で、授業の途中でも先生にたくさん質問できました。 また、中学から自分の好きな教科を選択でき、高校ではさらに三教科に絞って”深く”教科を学びます。あと日本はクラスに生徒が大勢いますが、イギリスでは教科にもよりますがとにかくクラスの人数が少なく、例えば私の高校の生物と化学のクラスはどちらも私を入れて6人だけでした。
留学して良かったと思うことを教えてください。
留学してからたくさんの事を達成出来たと思います。英語が問題なく話せるようになっただけでなく、中学、高校の厳しい卒業試験にも無事合格でき、夢であった獣医になるために獣医学部にも無事合格できて本当に良かったと思います。また今では世界中に友達ができ、友達が日本に遊びに来たり、友達の国にも遊びに行く機会が出来て世界が広がったと感じています。
留学中のサポートはいかがでしたか?
留学中は海外教育研究所の金成さんをはじめ、イギリスではガーディアンの播本さんなどにたくさんお世話になりました。もちろん留学前の準備や学校選びは金成さんのサポートなしでは成し得なかったので本当に感謝しています。学校からの連絡を日本の両親にも伝えてくれて、両親にも本当に心強い存在だったと思います。 また播本さんも高校での入試の時に一緒に学校まで行ってくれたり、大学入試の相談に親身にのってくれたりと本当にたくさん助けていただきました。これからも機会があったら連絡を取ったり、お訪ねしたいと思います。
留学前と後で、あなた自身はどんな点が変わりましたか?或いは周囲の人たちにどんなところが変わったといわれますか?
自分ではよく分からないですが、全ての事が順風満帆だった訳なかったので、14才の時に比べたら4年間でたくさんの人生経験を積んだと思います。
これから留学する後輩たちにどんな言葉をかけてあげたいですか?
留学に必要だと思うのはやる気と努力です。自分の意思で決めた留学なら、例え大変な事があってもやる気と努力する気持ちがあれば絶対に乗り越えられます。最初は英語ができなくて不安で大変かもしれないですが、努力を続けていれば時間が経つにつれ分かるようになるし話せるようになるので、自分を信じて頑張って欲しいです。
大学の進路はいつ頃からどのように決めていきましたか?
元々子供のころから動物が好きで獣医になりたいと思っていたので、高校入学当初に進路の話が出た時、獣医学部に決めるまで時間はかかりませんでした。また中学から理系の教科を選択していたので、高校でも獣医学部に入る為に必要だったA-levelの生物、化学、数学を選択していました。
イギリスでの大学進学を決めた理由は何ですか?
英語で学ぶ事に自信がつきそのままイギリスの大学に進学することを選びました。 獣医学部に進学した場合、日本では卒業まで6年かかる上卒業してもすぐに獣医師として働けるわけではないそうです。それに比べイギリスの獣医学部は5年制で、卒業資格があれば一人前の獣医師と認められるためすぐ就職できます。また、イギリスの獣医学は日本より進んでいる事、進学先のRVCはイギリスの獣医学部の中で、唯一卒業資格がイギリス以外にもアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどで使えるので卒業後の可能性も広がるという点で私にはとても魅力的でした。
日本の受験とどのような点が異なりましたか?
日本の受験は入試での成績重視だと思いますが、イギリスでは、自分のやる気を大学側にアピールする面接や自己推薦書が重視されます。特に獣医学部は研修経験を元に、面接で自分の努力と学んだ事を大学の面接官に主張する事が大切です。もちろん成績も大切ですが、それは最低条件です。進路担当の先生には、どれだけ他の志願者より、自分が優れているかをアピールしなければダメだと言われました。 実際に私も獣医学部にどれだけ入りたいか、どれだけ獣医になりたいかを、自己推薦書でも面接でもアピールしました。
親御様より
"留学のきっかけは、東日本大震災後の福島での生活に不安が有った事が背景としてありますが、何より本人が強く希望した事が大きいと考えています。留学中は娘がコツコツと努力して成績を向上させて行く様子を伝え聞き頼もしく思っていました。 留学を継続できるよう為替の変動を見込んで十分な余裕を持って資金計画を立てる必要があります。