感受性豊かなこの時期に
中学生の留学
中学から海外に留学する学生は、近年増加傾向にあります。高校留学に比べて入学条件が低く、高い英語力を求められないことからも留
学しやすい年齢といえます。日本では、義務教育期間中でもありますので、中学の間に留学を経て、その先の進路を海外に求めるか、あるいは日本で高校進学をするか見極めるご家族もいます。中学生の留学 知っておきたいこと
中学からの長期留学を検討している方は、それ以前にサマースクール等の短期体験留学を経験しておくことが望ましいです。 短期間でもご家族と離れて海外生活を送ることで、子ども自身がその先の留学をイメージしやすいからです。長期留学が目的でなくても、多感なこの時期、海外でひと時を過ごした経験は、子どもの視野を広め、自信を養い、将来の進路を考えるきっかけを与えてくれます。
留学においては英語力があり、成績優秀であるに越したことはありませんが、万能である必要はありません。得意分野がある、クラブ活動やお稽古事など、アピールできるものがあることが重要です。日本の学校でつまずきを感じた子どもを柔軟に受け容れている学校もあります。新天地で積極的な性格になり、伸び伸びと留学生活を送る子ども達を私たちは数多く見ています。
中学生の留学事例
O・Mさん 進学先:アメリカ Ojai Valley School / Northwest School
将来、アメリカの大学に進学したい希望があり、早いうちから準備を進める。小学生の間にカナダのサマースクールに2回経験する。小学校卒業を機にアメリカの学校に進学。中学のうちは田舎の安全な環境にある寮制の学校で過ごし、高校は都市部にある学校に入学する。
M・H君 進学先:ニュージーランド Wanganui Collegiate School / St. Peter’s, Cambridge
小学校時代からスポーツで実績を残していた本人が、将来は様々な国の人と肩を並べてスポーツがしたいという希望があり、海外生活に理解のある親御様のサポートのもと、短期の教師宅ホームステイ経験を数回経て、ニュージーランドの寮制学校へ留学。高校ではより大規模でアカデミック面で定評のある学校へ転校し卒業。スポーツ推薦で日本の大学に入学。
K・Nさん 進学先:ニュージーランド Glendowie Primary School / Baradane College
英語を修得するのであれば早いうちにという思いと将来の進路の選択肢を広げるため、小学校卒業後すぐニュージーランドの公立校に留学。1年間はサポートが手厚い学校で過ごし、その後、現地の名門女子校に進学。高校は日本の学校に進学する事を選択し、編入・帰国子女枠受験で国立大学付属校に入学。
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H・Hさん 進学先:カナダ Pickering College、 Lakefield College School
海外旅行に行った時に英語を話せるようになりたいと思い、留学に憧れを持つ。正規留学の前に下見を兼ねてサマースクールに参加。当初、高校からの留学を予定していたが、本人の強い希望により、日本の中学を退学し、1年前倒しでカナダのボーディングスクールに進学。
T.A君 進学先:アメリカ Saint Thomas More School / Cushing Academy
会社経営をされているお父様の影響もあり、将来は起業したいという志を持ってアメリカに渡ったT君。留学当初は英語も分からず、友達づくりにもつまづく等、留学生活における苦労も垣間見えておりましたが、年月を重ねる毎に熱中できる部活動を見つける等、行動範囲を広げていきました。
M.Wさん 進学先:イギリス Taunton School International(TSI) / Bromsgrove School
高校からの留学を検討していたMさんは東北出身。東日本大震災の影響で急きょ留学開始時期を前倒しして、中学2年を終えたところで留学に踏み切りました。英語力の向上と英国式教育システムに適応する目的でTSIに入学。動物好きなMさんは獣医を志しBromsgrove Schoolにて理数にフォーカスしたAレベルを履修。この間イギリスと日本の両国で、牧場や水族館でのインターンシップにも励みました。
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中学生の留学 Q&A
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全くの初心者でも受け入れ可能な学校もあれば、ネイティブレベルの英語力を有することが出願条件の学校もあり、求められる英語力は学校によって幅があります。英語初心者でも受入可能な学校には、留学生のための英語サポートクラス(ESL/ESOL)が併設されており、通常クラスと並行受講するなどの方法で、英語を伸ばしながら学業を修めることができる仕組みとなっています。一部の国や学校では、英語力が入学条件に達するまでは英語に特化した準備コースの受講を義務付けている場合もあります。
下記事項を整理した上で絞り込んでいくと良いでしょう。
- 希望国の特徴や教育制度、国民性等に関する知識を蓄える
- 私立校と公立校の違いを知る ※公立校に関しては留学生を受け入れている国が限定されます
- 規律ある寮生活が良いのか、その国の生活習慣も学べるホームステイが良いのか
- 留学先で培いたい知識や経験を明確にしておく
- 将来的な進路希望がある場合、どのようなカリキュラムや環境が望ましいと考えるか
- 数年に渡る留学にどの位の費用を掛けられるか
義務教育期間中のお子様の単身留学に関する国や地方自治体における統一された見解は現状、明確にされてはおらず、これまで留学に臨まれたお子様方については、ご本人の意思および親御様のご判断のもと、在籍校や教育委員会と調整を図った上で留学に臨まれています。
不登校期間があるお子様が留学されたケースは複数ございますが、不登校となられた理由、不登校の期間やその間の過ごし方、留学に対する意欲や目的等によって留学先の受入可否は変わります。先ずは現在までの状況をお聞かせ頂き、留学における可能性を共に考えましょう。
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各学校とのやり取りに際し、親御様に代わって私たちが窓口となっておりますのでご安心ください。英語の書類も必要に応じて和訳を添えたり、口頭でご説明差し上げております。英語に不自由しない親御様でも、留学のプロに任せた方が安心という理由でサポートさせて頂く事も多いです。
はい、可能です。留学への対応方法は、在籍校及び地方自治体によって判断が異なる場合もございますので、先ずは在籍校に留学の意向を伝えた上でどのような扱いになるかご確認頂くことをお勧めします。
大きく3つの準備をお勧めしています。1つ目は「英語力を鍛えておく」ことです。留学までの目標を定め、計画立てて学習に取り組みましょう。 2つ目は「自分のことは自分でできる」練習を重ねておくことです。自分で起きる、部屋を片付ける、家事を手伝う等は欧米では未就学の頃から自立訓練の一環として家庭でも教育がなされています。3つ目は「自己理解を深め、アウトプットできる力を養う」ことです。海外では、社会で活きる力の一つとして、幼少期から他者との関わりや学校教育を通じて自分の考えや意見をしっかりと持ち表現する訓練がなされています。海外教育研究所ではそのための事前準備プログラム【FORWARD】をご用意しています。
国や地域によっては、長年お付き合いのある現地在住の日本人スタッフによる留学中のサポートを提供しております(別途オプション/長期留学者対象)。サマースクールなどの短期留学においては校内に日本人スタッフがいるプログラムもございますが、全てではございません。
こちらのページをご覧ください。
中学生の留学の種類
ボーディングスクール(寮制学校)への単身留学
学生や教師が同じキャンパス内で寝食を共にし、人としての成長を多角度から支え、鍛えてくれるのがボーディングスクール(寮制学校)です。多くのボーディングスクールは、全人教育を理念に掲げ、徹底した少人数制の下、文武両道教育を行っています。
現地の公立中高校へ進学
公立校の多くは、その地域に住む家庭の子どもたちが通う学校です。カナダやニュージーランドでは、国民の約9割が、オーストラリアでは約7割が高校まで公立校を卒業しています。日本からの留学生は、ホームステイをしながら現地学生と同様に地元の学校へ通学します。
夏休みを利用して海外体験
「自分は何者か」アイデンティティを模索するのが思春期です。期間の長短にかかわらず、多感な時期に快適な環境を離れて未知の世界に身を置き、各国から集まる同年代と切磋琢磨する経験は、間違いなくその先の人生を豊かにするヒントを与えてくれるでしょう。
現地校体験(数週間~6か月未満)
数週間や数か月の間、現地の学校に入り、現地の学生と一緒の教室で授業をうけることができます。日本とは違う環境を体験することを目的に、もしくは卒業留学をお考えの方のお試しとして、英語やアクティビティだけのプログラムとはまた違った貴重な体験となるはずです。
この時期の子どもって? 〜発達心理の観点から〜
思春期・青年期 中学~高校時代 13歳~18歳頃
この時期は、アイデンティティが確立される時期といえます。アイデンティティの確立とは、自分が持つ個性や特性、能力や資質がどのようなものであるか知ると同時に、弱点や欠点を知る事でもあります。将来の進路や職業選択において自分はどうあるべきか追求したり、自分はどんな人間なのか模索する時期でもあります。
友達から学び、友達に教える事に価値があった小学校時代。あらゆる友達と多様な学びを交わした後に、今度は中学から高校、大学に向けて友達が絞られていきます。そしてアイデンティティを確立するために狭く深い付き合いを始めるようになります。思春期はまさに「類は友を呼ぶ」時期といえます。
この時期は、一方で自分が成熟していくためのお手本を見つけようとします。歴史上の人物、あるいは架空のモデルを作り上げるなどして、こんな人間になっていきたいと思うものです。こういうものを育てるには、家族、仲間、学校、地域社会など、いろいろな人の集団が大切であり、特に高校、大学の仲間は決定的な意味を持つという説もあります。