小学生の単身留学
こんにちは、金成です。
近年増加傾向にある「小学生の単身留学」について、小学館のHugkum(はぐくむ)さんに記事が掲載されました。私たちのところでも、最近は小学生の親御様からの相談が増えており、時代の変革期を迎えて「早い段階から日本の枠を超えた体験の場を与えたい」「見知らぬ環境下で揉まれる経験を積ませたい」「地球規模でのコミュニケーション力を養ってほしい」「粘り強さや達成感など内面的な力を培わせたい」といったお声も少なからず聴かれます。
低年齢の留学を考えるうえで大切なことは2つあると考えます。
1つは、お子様自身にとって、そのタイミングや留学期間、学校形態やプログラムは適切かを見極めること。これは、英語力に限ったことではなく、「自分にかかわることをどの程度自分で行えるか。」つまり、自立に向けた行動がどの程度できるかを指しています。朝自分で起きられる、身支度や通学の準備ができる等の基本行動はもちろん、挨拶やお礼、時間管理等も含まれます。
2つ目は、留学は高いお金を払って「苦労」や「不便」を買うようなものであるということです。おいしい食事や温かいお風呂、冷暖房設備の整った日本の環境から外に出る経験は、大人でも泣き言を言いたくなるもの。加えて、留学中はトラブルやハプニングをはじめ、大小の想定外の出来事がつきものです。言葉の壁、カルチャーショック、現地でのケガや体調不良はもちろん、日本人同士、あるいは他国の留学生との揉め事も時には生じることもあります。日本のようにスケジュール管理が徹底されていなかったり、食事も質素、家電製品や水の使用も日本より制約があることもままあります。
小学生の単身留学の多くは夏休みを利用したサマースクールで、中には小学1年生でも航空会社のエスコートサービスを利用されて単身渡航される子どももいます。留学された子どもの大半は、ひと回りもふた回りも成長して帰国されることが多いですが、中には、結果的に時期尚早と判断されるケースもゼロではありません。昨今は、留学中でも携帯電話で直ぐに親子間でやり取りができる手軽さ、安心感もある一方で、その頻度によって、せっかくの留学の機会で得られるものを薄めている場合もあります。泣き言が入っても、ドーンと構えて受け止めてもらったり、労ってもらえることが、子どもにとって踏ん張る力なったりもします。
困難に遭遇したときはどんなふうに乗り越える方法があるか、日ごろから親子間で話し合ったり、つらい中での気持ちの切り替え方や楽しみ、喜びの見つけ方等、心持ちや行動のあり方で、おかれた状況を変えていくことは年齢問わずにトライできることであり、こういった内面を鍛える訓練の積み重ねが、結果、留学を実り多い体験につなげていく大事な要素のようにも感じています。
何かが起こるたびに驚いたり、一喜一憂しながらも、前向きに対処する度胸と覚悟を、親子ともども持てたときが一歩を踏み出すタイミングといえるかもしれません。
金成