🦘カンガルー便り Vol.21
こんにちは。
シドニーより古賀です。
昨年の今頃、オーストラリアで5年に一回実施される国勢調査が実施されました。最近その結果の一部が公表され、とても興味深いので皆さんにも是非お知らせしたいと思います。
私が改めて驚いたのが、オーストラリアに住む人々の多様性です。データによるとオーストラリア国外で生まれ、調査時点でオーストラリア在住の人の割合は約29%、そして自身はオーストラリア生まれで片親もしくは両親が外国生まれの人の割合は約22%。要は海外からの移民の二世代目までの人が総人口の半数近くを占めているのです。コロナ禍でもあり単純に比較できるものではありませんが、日本の2020年の国勢調査によると日本在住の外国人人口は総人口の2.2%だったそうですので、オーストラリアがいかに多様なバックグラウンドに恵まれた国かを感じていただけるかと思います。(※オーストラリア国外生まれの人のランキングは上からイギリス、インド、中国、ニュージーランドです。)
Australian Breau of Statisticsより
そして、英語に次いで話されている言語はマンダリン、アラビア語、ベトナム語、広東語と続きます。家庭内で英語以外の言語が話されている割合は約25%にものぼりますので、子どもたちが状況に応じて二言語を不自由なく操っている姿も決して珍しくはありません。ショッピングモールのフードコートにはどこでも中華料理、アラビア料理、そして寿司が並んでいたり、子ども達が通う学校でも英語が共通言語ながら下校時にはお迎えの家族と話す様々な言語が飛び交っていたりと、ここに住む子どもたちはそれらの光景を当たり前に受け入れながら成長します。言語のみならず、例えば隣に座るお友達が持つ文化的バックグラウンドを踏まえ意見交換をしたり、妥協することがあったりと、自ずとお互いで良好な関係を築くためのコミュニケーションが重要になってくる環境だと想像します。
私たち家族はおおよそ2年半前に東京を出てシドニーに越してきましたが、子どもたちが多感で柔軟な年齢期にこのような環境に身を置くことができたことを、とてもポジティブに捉えています。ここにきてそれぞれの息子が勉強面、社会面で難しい壁にもぶちあたっていますが、彼らが社会に出る前に「世界の当たり前」を体験させてあげることができていること、そして私たち親も母国ならもう少しスムーズにいくのに、という葛藤を抱えながらも、家族全員にとって成長の機会となるよう向き合っていきたい思いです。
↓5月末から3週間に渡ってシドニーの複数の場所で催された『Vivid Sydney』。市内中心部至る所の建物が美しくイルミネーションで彩られます。コロナ禍での二回の休止を経て、たくさんのイベントが戻ってきています!