🦘カンガルー便り Vol.16
こんにちは。
シドニーより古賀です。
少しずつ春の陽気を感じることが多くなり、日中着ている洋服は一枚少なくなりました。四季がある国共通で、この季節は穏やかな気候と草花の芽吹きが気分を軽やかにさせてくれます。にも関わらず、シドニーの我が家では平日は家から一歩も出ることがなく、平日に逃してしまった太陽光を浴びるために週末に一生懸命外出するサイクルで10週目を迎えようとしています。こちらのお友達とはメールなどでたまに状況を報告し合うのみで、家族以外の人と顔を合わせてコミュニケーションをとったのもはるか数週間以上前のことです。デルタ株が猛威をふるい日々の感染者数が増加していることに伴い、NSW州都市部のロックダウンはより厳しくなり、今では一部地域で夜9時以降の外出不可、居住する地域外又は5km圏外に出ることは禁止、外出理由は買い物又はエクササイズのみ、そして違反者には数十万円単位での罰金が科されるといったように、昨年実施されたロックダウンが懐かしくなるほどの厳しいものになっています。並行して後れを取っていたワクチン接種率を上げるための政策に後押しされ、かなりのハイスピードで接種数が増えています。このワクチン接種率がロックダウンを終えるカギとなるようですので、通常の生活に戻りたいという皆の必死な思いの表れだと感じています。
あまりにも変化が乏しい日常で、息子たちの学業や生活について報告ができるものがありませんので、今回は昨年オーストラリアに住み始めてから発見した日本との違いをいくつか紹介したいと思います。
≪物価について≫
あくまでも個人的な肌感覚ですが、スーパーで買い物をする食材や日用品の価格については、日本の1.3~1.5割増しです。衣料品や家電も同じくらいで、日本同等品質のものはもう少し高額になると思います。日本製の物や家電、また車は品質がよく物持ちがするととても人気があります。大きめのモールにはダイソーやユニクロがあり、日本では100円で購入できるダイソー商品がこちらでは2.8ドル(200円強)します。我が家は到着当初こそこちらの食文化に慣れようと肉と野菜をグリルしたものをワンプレートで出したりしていましたが、やはり育った食文化から簡単には抜け出せず、今は少し割高な日本食材を入手してテーブルに並ぶものはほぼ日本食です。留学生の皆さんが日本食を恋しく感じる気持ちがよく理解できます。市街地やアジア系住民が多い地域のショッピングセンターには、必ずと言っていい程アジア系食材店が入っており、ある程度のものの入手には困りません。一方でパン、パスタなどの小麦粉製品、フレッシュなフルーツは日本より安く手に入ることが多いです。
≪IT活用について≫
これまでの記事でも触れましたが、社会における総合的なIT化という面ではオーストラリアは日本の比になりません。例えば私が留学していた高校時代に既にニュージーランドでも一般的だった電子決済は、今や老若男女問わずほとんどの人が活用しています。どんなに小さな店や食堂でも、ほとんどの場合で電子決済システムが設置されています。またデジタル運転免許証、デジタル納税証明書、デジタルコロナワクチン接種証明書と、公共の手続きも役所などに出向いたり郵送をしなければ完了できないものには今の所出会っていません。コロナ関連でも、NSW全土の全てのお店や施設でQRコードを使用して人の出入りを管理する州指定システムが導入されていたり、落ち込んだ消費の回復策の一つとして導入された商品券もデジタルで配布されお店でバーコードをかざすことで決済ができました。教育現場でも活用されています。息子が通う公立小学校ではタブレットが生徒全員に一台ずつ配布され普段の授業の様々な場面で利用しているようですし、生徒一人ずつにメールアドレスがあり、マイクロソフトオフィスのウェブバージョンと連携しており、ロックダウン中の自宅学習では息子がワードやパワーポイントを作成しオンラインで課題を提出することもあります。
来月、そして再来月も引き続きロックダウン&自宅学習が予定されています。あまりにも限られた行動範囲で、毎日、毎週ただルーティーンを繰り返すことが当たり前になってきている中で、自分たちそして子どもたちとどのように些細な楽しみを見つけるかを大切にしたいと考えています。
古賀