🦘カンガルー便り Vol.12
こんにちは。シドニーより古賀です。
オーストラリアでは二週間の秋休みを終え、二学期目に入りました。NSW州ではコロナウィルス関連規制の大部分が取り払われ、丸一年を経てほぼ元の生活を送ることができていることに感謝です。ここ一カ月ほどは気持ちの良い秋晴れが続いていますが、その前は秋の長雨が各地で洪水を引き起こし、私たちが予定していた旅行先もその影響により休暇の書き入れ時にも関わらずクローズしてしまいました。この休暇は自宅でゆっくりと過ごしました。
一学期の学校イベントの一つにSwimming Carnivalがありました。いわゆる水泳大会で、3年生以上の50メートルを補助なしで泳ぐことができる生徒だけが参加します。コロナ禍でなければ親がプールサイドで応援することもできたそうです。参加しない生徒もバスに乗り一緒に会場まで行くのですが、読書をしたり友達とおしゃべりをしたり、施設内の売店でお菓子を買って食べたりと、基本的には自由に過ごします。日本のように全員が一律で参加し、自分が参加していない時も競技に参加する友達を応援する、といった雰囲気とは全く異なります。以前のブログでも書きましたが公立小学校にプールがあることは稀ですので、学校行事ではありながら、放課後などに民間のスイミングクラブで習い泳ぐことを得意としている子たちが自主的な判断で手を挙げて参加します。日本では厳しい練習を重ねクラスや学年の一体感や達成感を育む一大行事である運動会も、こちらでは今回の水泳大会と同じような位置づけのようです。昨年はコロナ禍で残念ながら運動会が中止になりましたが、今年実施された折には様子を報告したいと思います。息子は「50メートル泳げるよ!」と主張するので、親としては少し疑心暗鬼ながら彼の強い主張により参加を許可しました。放課後の報告によると、中間地点で少しタコ泳ぎをしながらも、50メートルを頑張って泳ぎ切り、これまた彼なりに楽しんだようです。クラスメイトと大型バスで会場まで往復するのが楽しかったと話してくれました。
次男の幼稚園では保護者面談がありました。15分間設けられた個別の時間内で担任の先生から子供の園での様子を聞くことができます。その中で、「友達との戦いごっこで興奮して激しくなってしまうことがよくあるので、家庭でも声掛けをお願いしたい」との注意がありました。確かに自宅では時間があれば兄弟で戦いごっこをして盛り上がっています。一方で欧米の文化では傷つける意図がなくても手を出してしまったり、暴力的な言葉づかいをすることに対して、より厳しく注意を受けることは仕事で現地からの報告を通して耳にはしていました。日本では許容される、或いは厳密な規定がなく曖昧にされている行為が、停学につながってしまったケースも何度か見てきました。テレビ番組や映画でも日本では幼児が視聴するような番組が、こちらでは暴力的や性的な表現であることを理由に視聴制限の対象となることもあります。こういった文化背景の違いに対しては、私たち自身が理解し行動を変えていかなくてはいけない部分です。そして面談の極めつけに「ここ一学期間はあまり落ち着きがありませんでした。課題の途中で何度もトイレに立ったり、他の子にちょっかいをかけたりしていました。来学期はもう少し落ち着いてくれることを願っています。」とのショッキングな報告があり、心がザワザワしてしまいました。実は次男への指摘は昨年もあり、Occupational Therapy(作業療法士)を訪れましたので、この件についは追って触れたいと思います。