🦘カンガルー便り Vol.9
こんにちは。シドニーの古賀です。
クリスマスを目前にして店の装飾や、個人宅の電飾など、明らかに街全体が浮足立っていたシドニーですが、一週間ほど前にシドニー北部エリアでのクラスターが発生しました。これまで数か月間、地域感染はほぼゼロ更新を続けていましたので、テレビや街角からは人々の嘆きが伝わってきます。このクラスターを発端とした陽性件数が数日前に30件を超え、その対応として当該地域に限定したロックダウンが迅速に実施されています。こちらでは先週後半から夏休みに入っており、この時期は多くの家族が他州や他国への旅行を楽しむのが通例なのですが、ようやく州境が再開された矢先のロックダウンに休暇の予定が影響を受けてしまう人も少なからずいることと思います。素早いロックダウンの対応が功を奏し、夏休みが可能な限り楽しいものになることを願ってやみません。
子どもたちが待ちに待った長い夏休みはこのように苦いスタートとなりました。二年生の息子は最終週の手前で教室に置いていたノートやプリント類を持ち帰りましたので、学年度末の数日間はクリスマスに向けた製作や先生が企画した楽しいイベント、6年生を送る会、そして少しのまとめ勉強をして帰宅してきていました。この休暇の過ごし方として日本の学校と大きく異なる点は、宿題が出されていないということです。日本での一年生の夏休みは、国語と算数のドリル、工作、読書感想文と、勉強の習慣を維持するためにそれなりの量の宿題が出されていたと記憶しています。一方、6週間もあるこちらの夏休みは、あくまでも休暇ですので、一切宿題が出されていません。小学校低学年の宿題管理は親にとっても負担ですので、半分はほっと胸をなでおろし、半分は「果たして息子は大丈夫なのか!?」といった心持ちです。学校からアカウントが提供されているオンライン学習サイトは休暇中もアクセスできますので、子どもには毎日アクセスして継続して勉強するように気休め程度に指示しています。ある程度張り合いをもって生活してもらうために、また親が仕事に集中できる時間を作るために、数多くあるホリデープログラムの中から、今夏はテニス、スイミング、その他イベント系の本人が楽しみそうなプログラムに申込みしています。
私たちのシドニー生活は早くも二年目に突入しようとしています。前代未聞の一年ではありましたが、そんな中でも前向きに新天地での生活を楽しむことができたと思います。何よりも、コロナ禍にも関わらず子どもたちが安心して学校に通うことができる環境を整えてくださったことへは特段にありがたい気持ちでいます。
海外教育研究所からの留学生は、中には予定通り渡航ができず、或いは学校の長期休暇にも関わらず日本へ帰国ができないという状況に、悔しい声もたくさん聞かれました。海外との橋渡しをする私どもにとっても、如何ともしがたい状況に歯がゆい一年となりました。苦難の一年として歴史に刻まれることになる2020年でしたが、2021年はワクチンが追い風となり、一日でも早く安定した生活を送ることができる日が訪れることを願ってやみません。
皆さまもご自愛の上、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。