🦘カンガルー便り Vol.3
こんにちは。シドニーより古賀です。
こちらはいつの間にか秋になり、日中でも20度に届かないことが多くなってきました。家の中にも関わらず厚着をしてパソコンに向かう毎日なので、少しずつ暖かくなっている日本がうらやましいです。
3月下旬にオーストラリア政府がロックダウン(こちらではShut Downと呼んでいます)を発表してから2カ月弱となる先週末から、他州から少し遅れる形でNSWでもようやく人の移動への制限が緩和されました。それでも場所や人数に制限が残されていますので、様子を見ながら少しずつNew Normal(新しい当たり前)の生活へと歩みを進めていきます。週末は早速、子どもたちが待ちに待っていた公園へ二カ月ぶりに連れていくことができましたが、ロックダウン前にも増した混雑具合で、こちらの人たちがいかに外での活動を心待ちにしていたかが良く分かる光景でした。
さて学校は先週から二学期目がスタートしました。前回のブログでも触れた通り、初めの二週間(今週いっぱい)は各生徒が週一回ずつ出席します。出席する曜日は名前のアルファベット順で指定されており、毎日全学生の25%ほどが登校するという仕組みです。そしてちょうど昨日、来週からは通常通り週5日の通学が可能と発表されました。登校日数を段階的に増やしていくという予定を覆し、州知事が判断を下されたようです。我が子は前学期を夏服で終えましたが、今学期はすっかり冷え込み冬服で登校していきました。こちらの小学校ではある程度の学年までは親や祖父母が毎日登下校の送迎をしなければいけませんので、通常時には朝夕の送迎の時間帯はキャンパス内に親も自由に出入りしています。それがこの事態ですので方針の転換を余儀なくされ、送迎者はできるだけ車から出ないこと、徒歩送迎の場合もキャンパスには入ることはできず、周りの人と距離を保ち付近で待機すること、と指示が出ました。そのためキャンパスの出入り口付近から近所の道路まで、送迎車が列をなし、送り迎えもひと仕事になる異様な光景でした。
そんな中でも学校専用のアプリを通して連日学校の様子や動向などが通知されたり、校長先生とのオンラインミーティングが開催され質疑応答がなされたり、送迎時の出入り口には校長先生が立って保護者からの質問に気軽に答えてくださったりと、学校側の熱心な対応にはありがたい気持ちでおります。
登校日を除いて我が子のオンライン学習は続いていますが、やはり課題の3割も終わりません。そこで今学期に入った際に担任の先生に私の不安を相談したところ、翌日には複数の先生と協議をしてくださった上で、このような提案をしてくださいました。①我が子専用のやることチェックリストを毎朝作ってくださる。②できる限りオンタイムのミーティングや映像など飽きない学習機会を増やしてくださる。③民間のオンライン学習サイトを提案くださる。そして何より、個人によって理解度は異なるのだから、出された課題をすべて終えようと思わなくて良い、とのことでした。どれも我が子のために特別に手間をかけてくださるわけですので、この上なくありがたいご提案ばかりです。そして翌日から早速新方式でスタートとなり、我が子の取り組み具合もかなり改善され、私の不安(とストレス)も大きく緩和されました。先生のご支援に対して応えることができるかどうかは、息子の頑張り次第です。振り返ってみると、このような個別対応に大きく助けられ、学習への意欲を失うことなく海外の学校で頑張っている生徒さんを、私は海外教育研究所での業務を通してたくさん見せていただきました。英語での学習というハンデがありながら、周りのサポートを得て多様な学び方へのヒントをもらい、その子なりの学び方を確立していくことも、大人になるまでの立派な学習のひとつだと感じています。我が子は久しぶりの登校日にも「楽しかった!」と笑顔で帰宅しました。今後も様々な支援を頂いた時に、自身の姿勢でもって応えることの大切さを実感しながら、異国の地でも頑張ってもらいたいと思っています。
余談ですが、幼稚園生の息子も2学期がスタートし週に一日登園が許可されています。それ以外の日は毎日のように30分ほどZoomでのお遊戯の時間が設定されていますが、画面を通してでは集中力を保つことも難しく、その時間中もほとんどパソコンの前には座っていません。こちらは登園日さえ楽しんでくれればハナマル◎と考えるようにしています。